法人成りか個人事業主か?
我々税理士がよく訊かれる質問です。
今までは、この所得金額なら個人のままでもいいですよ等々、納税額が安いとか、
個人ならとりあえずは社会保険に入らなくてもいいですよ、みたいな話をしてきました。
消費税も最低でも1年は免除されます。
特に確定申告の時期はこの手の質問も多いですし、関与先の税額を見ながら考えたりします。
最近私なりの答えを見つけました。
法人成りをする本当のメリットは、事業が失敗したときに出てきます。
法人の場合、法人が破産すれば、滞納した税金や社会保険料も消えてなくなります。
では個人事業主の場合はどうか?
個人が自己破産した場合、滞納した税金、社会保険料は免責になりません。
つまり事業を廃止しても滞納した税金と社会保険料は払い続けなければなりません。
では、もし不幸にも事業に失敗してしまっても、その後再起を図る場合
どちらが再起しやすいか?・・・自明の理です。
特に最近は建設業の社会保険の加入が問題になっています。
社会保険料は一度滞納すると、あっという間に溜ってしまいます。
これが本当の法人成りのメリットです。
そう考えるのであるならば、法人成りするタイミングとしては、
①消費税の納税義務者になったとき
②所得税の税率が20%になったとき
そして
③社会保険に加入する必要が生じたとき
というのが今のところの結論です。
それ以外にも法人の方が節税のスキームが沢山あります。
お金の面に着目してきましたが、もちろん取引したい先が法人でないと取引しない
ということであれば、お金の損得でなく法人成りすべきだと思います。
いろいろな会社を見てきましたが、個人事業と法人
どちらが業績が伸びるかというと、断然法人というのが仕事上の経験則です。
本気で事業に取り組むなら、法人として事業をした方がいいかなと思います。